東京農大東日本支援プロジェクト土壌肥料グループ


 2011年3月11日の東日本大震災により、わが国未曾有の農業災害を被った。東京農業大学では、同年4月に「東京農業大学東日本支援プロジェクト」を結成し、5月より福島県相馬地域を中心に農業復興のための支援活動を開始した。
 筆者らはプロジェクト発足当初より参画し、「土壌肥料グループ」として福島県相馬市と青森県八戸市の津波被災農地の復興、福島県南相馬市と伊達市では農作物への放射性セシウム吸収抑制対策のための活動を続けてきた。2015年3月31日に、東京農業大学を定年退職したが、被災地の農業復興は未だ道半ばである。そこで、4月以降もプロジェクトのシニアメンバーとして、活動を継続することにした。
 
 プロジェクトでは、毎年年度末に相馬市で現地報告会を行ってきた。その報告会資料は次のとおりである。

 第1回報告会:2012年3月12日

  第2回報告会:2013年2月23日   津波対策編  放射能対策編
 
  第3回報告会:2014年2月22日   津波対策編  放射能対策編

 第4回報告会:2015年3月1日

 ★第5回報告会:2016年2月27日

 

 












     2011年5月の相馬市岩子      2012年9月には、1.7haの復興水田で稲刈り

 

 3.11の大津波により相馬市内では1,100haの農地が被災した。5月より東京農大東日本支援プロジェクトの一環として、岩子の被災水田1.7haで「そうま方式」による除塩と転炉スラグの施用による土壌改良を施し、2012年5月に水稲栽培を再開した。その結果、9月に安全・安心が確認された「そうま復興米」10トンを生産した。さらに、翌2013年には1.7haの点を50haの面に拡げた。この「そうまプロジェクト」には、新日鐵住金(株)から450トンの転炉スラグが無償提供された。

 

 

 2014年には、相馬市内の復興農地面積が約250haまで拡大され、約1,000トンの「そうま復興米」が穫れた。そこで、「そうまプロジェクト 第二弾! そうま復興米を食べよう プロジェクト」を実施した。「相馬で穫れた米を相馬で食べよう!」地産地消が風評被害克服の第一歩。
 2015年4月から、相馬市産の米を市内の小中学校の給食に使うことになった。

 

 

 

 

 

 

 2011年5月以来、4年間にわたって福島県相馬市・南相馬市・伊達市、青森県八戸市などで活動してきたが、論文を書くための研究ではなく、あくまで営農再開のための支援活動と考えてきた。しかし、4年間で次のような学術的成果をあげる結果となった。2015年以降の新聞掲載はこちらです。

 


 東京農業大学東日本支援プロジェクトの成果を取りまとめた英文書籍の電子版が出版された。
 書籍名:Agricultural and Forestry Reconstruction After the Great East Japan Earthquake